電線の色と識別|接地側・非接地側・接地線の基本ルール
接地側=白、非接地側=黒、接地線=緑という識別の基本を表で整理します。
注意:接地側と非接地側の色の取り違いは技能試験の欠陥につながるため、施工条件の指定を最優先に確認する必要があります。
- 接地側・非接地側を色で管理する理由
- 識別の基本表
接地側・非接地側を色で管理する理由
単相回路では、接地側電線に白色、非接地側に黒色を使う識別が標準的な運用です。配線図や技能試験の施工条件でも色の指定が出ることがあり、色の取り違いは欠陥につながります。
識別の基本表
| 区分 | 一般的な色 | 備考 |
|---|---|---|
| 接地側(中性線) | 白色 | 器具のW表示端子へ接続 |
| 非接地側(電圧線) | 黒色 | スイッチを経由して負荷へ |
| 電圧線(その他の相・用途) | 赤色など | 三相や200V回路で使い分け |
| 接地線 | 緑色、または緑黄縞 | 接地端子へ接続 |
色の使い分けは施工条件の指定が最優先です。指定がない場合の標準的な考え方として上表を理解し、実際の工事では設計図書と技術基準の解釈に従ってください。
データの掘り下げ:色の識別と練習問題・技能データの対応
電線の色の識別は、複数のデータに横断して現れるテーマです。器具・材料分野の練習問題E06は「接地線には緑色または緑色と黄色の縞のものを使うのが一般的」という識別を確認し、配線図分野のD05・D06は接地側・非接地側の接続原則と器具のW端子を確認します。技能候補問題では、No.1の注意点にレセプタクルのW端子への接続、No.9に変圧器の二次側の配線の色の指定、No.10に三相の相と電線の色の対応、No.11に単相3線式の外線・中性線の識別が挙がっています。つまり色の識別は、筆記の知識問題であると同時に、技能の複線図と施工の両段階で欠陥に直結する実技要素です。
配線理論分野のW04・W05(単相3線式の構成と中性線断線の影響)と合わせると、色の学習は「白=接地側(中性線)、黒=非接地側、緑=接地線」という暗記で終わらせず、単相3線式で100Vと200Vを取り出す仕組みと結び付けて理解することが定着の近道だと分かります。
ケース別の判断:色の判断に迷う場面別の考え方
技能の施工条件で色が指定されている場合は、指定が標準の考え方に優先します。指定どおりの色を使うことが欠陥回避の前提であり、自分の慣れた配色で代替しません。3路・4路回路の渡り線で色に迷う場合は、候補No.4の注意点どおり、色の指定がある場合は指定に従い、複線図の段階で色を書き込んでから施工に入ると取り違いが減ります。200V回路と100V回路が混在する場合(候補No.11)は、外線と中性線の識別が複線図の核になります。中性線は白色、外線は黒・赤で区別するという単相3線式の構造から判断してください。実務で既設配線を扱う場合は、色だけを根拠に接地側と判断しないことが重要です。色は標準的な運用の目安であり、実際の回路では検電器等で確認する手順が安全の前提になります。
手順の詳細化:複線図での色管理のステップ
ステップ1(電源の識別):単線図から電源の接地側・非接地側を確認し、複線図に色を割り当てます。つまずきポイントは描きながら色を決めることで、着手前に割り当てを固定します。ステップ2(接地側の配線):白色で負荷とコンセントのW端子側へつなぎます。レセプタクルのねじ部側が接地側であること(D06)と合わせて確認します。ステップ3(非接地側の配線):黒色でスイッチ経由の線を引きます。所要時間の目安は複線図全体で5分が型です。スイッチを経由しない非接地側の線がないか、この段階で見直します。ステップ4(接地線と指定色の確認):接地が必要な器具に緑色の接地線を引き、施工条件で指定された色と照合します。色の指定違反は欠陥チェック表の複線図段階の項目です。
さらに掘り下げる:色の識別が「安全の仕組み」である理由
接地側を白色、非接地側を黒色とする識別は、見た目の整理ではなく安全の仕組みです。スイッチを切った状態で器具側に電圧が残らないようにする(非接地側をスイッチで切る)ことと、電球のねじ部のような触れやすい部分を接地側にすることは、感電の機会を構造的に減らす設計です。色の識別は、この設計を施工者全員が同じ前提で実現するための共通言語として機能しています。だからこそ、色の取り違いは単なる見た目の誤りではなく、安全設計の破れとして欠陥になります。
学習の面では、色の対応を暗記事項として覚えるだけでなく、「なぜその色か」を器具の構造と結び付けて理解すると応用が利きます。ランプレセプタクルのW端子、コンセントの接地極側、三相回路の相の区別など、場面が変わっても「接地側は白・接地線は緑・電圧側は黒や赤」という軸で判断できるようになることが、この記事の識別表の到達目標です。
よくある質問
接地側の電線は何色ですか
白色が標準的な運用です。器具側ではW表示の端子や、ランプレセプタクルのねじ部側が接地側に対応します。
接地線と接地側電線は同じものですか
別物です。接地側電線は回路の電線(中性線)で白色、接地線は大地へ接続する保護用の電線で緑色または緑黄縞です。名前が似ているため混同しやすく、練習問題E06でも区別が問われます。
非接地側はなぜスイッチを経由させるのですか
スイッチを接地側に入れると、切った状態でも器具側に電圧が残り危険だからです。非接地側(電圧側)にスイッチを挿入することが原則で、D05・E04で確認されています。
施工条件で色の指定がある場合はどうしますか
指定が最優先です。標準的な考え方と異なる指定でも、指定どおりに施工することが技能試験の欠陥回避の前提になります。
三相回路の色はどう区別しますか
相ごとに色を使い分け、単線図の指定どおりに対応させることが候補No.10の要点です。相と色の対応は図面と施工条件で確認してください。
赤色の電線はどんなときに使いますか
三相回路や200V回路など、黒以外の電圧線を使い分ける場面で用いられます。単相3線式では外線同士で200Vを取り出す構造と結び付けて理解すると判断しやすくなります(W04)。
色の識別の実行前チェックリスト
- 接地側=白、非接地側=黒、接地線=緑という基本対応を言えるか
- 接地側電線と接地線の違いを説明できるか
- 複線図の着手前に色の割り当てを固定したか
- 施工条件に色の指定がないかを確認したか
- 器具のW端子と接地側の対応を確認したか
当サイトが学習用に自作した模式図です。実際の器具の端子表示・形状は製品の表示を確認してください。
- 一般財団法人 電気技術者試験センター(調査日:2026-11-05)